薄毛対策に必要な食べ物とは
薄毛の原因は男性ホルモンや遺伝的要因などさまざま。それに実は生活習慣も大きく関係しているのです。
そのうちの一つが食生活です。毛髪は血液から栄養を補給し、細胞が活発に分裂することで形成されていくからなのです。
実際に薄毛と食生活の相関関係を調べたデータでは、薄毛ではない人のほとんどは栄養バランスのいい食事を摂っていることがわかったとのこと。
とはいえ、具体的にどんな食べ物が薄毛対策になるのかイメージしづらいのでは。そこで、髪が育つメカニズムから必要な栄養素や摂るべき食べ物をご紹介。
最近、毛が薄くなってきた気がする、将来、髪で悩みたくないという人は、ぜひ参考にしてみては。
目次
- 1 そもそも髪は何からできている?
- 2 髪に必要な栄養素を知る
- 2.1 髪の主成分「タンパク質」
- 2.2 髪の生成をサポートする「亜鉛」
- 2.3 髪の健康に必要な「3つのビタミン」
- 3 地中海の人は薄毛が少ない?
- 4 まとめ:髪もカラダも食事から作られる!
そもそも髪は何からできているのか
栄養バランスがとれた食事をしてくださいと聞くと、主食や主菜、副菜など、何品も食べないといけないと思う人は多いでは。
ですが、健康な髪を育てるということだけを考えれば、毎食何種類ものおかずを用意する必要はないのです。
そのためには、まず髪の元となる成分を知ることが大切で、結論からいうと、毛髪の主成分は「ケラチンタンパク質」というものです。
ケラチンは、18種類のアミノ酸が結合してできており、髪以外にも爪や皮膚を形成している成分でもあり、そしてケラチンには「シスチン」という必須アミノ酸が含まれています。
必須アミノ酸とは、生命維持に必要なアミノ酸のことで、体内で生成することが困難なため、食事で積極的に補う必要がある重要な栄養素なのです。
ケラチンが不足すると髪にハリやコシが無くなったり、抜け毛の原因につながる恐れもあります。
ケラチンタンパク質は健やかな毛髪を育てるために欠かせない成分で、薄毛予防のためにも、髪が必要とする栄養素だと理解しましょう。
髪に必要な栄養素を知る
髪の主成分「タンパク質」
毛髪のほとんどは、ケラチンタンパク質からできているといいました。となると、良質なタンパク質の摂取がカギとなります。
人間のカラダは約60~70%は水分で出来ていますが、その次に多いのがタンパク質です。つまり、タンパク質は髪だけでなく、生きていく上で欠かせない栄養素の一つだということです。
タンパク質には、大きく分けて2つに分類できます。
- 動物性タンパク質
- 植物性タンパク質
さらに細かく分類すると、大豆タンパク、ホヘイ、カゼイン、卵白、小麦タンパクの5種類に分けられます
よく「動物性タンパク質と植物性タンパク質はどちらを摂るべきですか?」と聞かれますが、結論をいえば「どちらも必要」なのです。
動物性タンパク質は主に肉や魚、牛乳やたまごなどから摂れるタンパク質のことを指し、最大のメリットは、ズバリ必須アミノ酸を含んでいるということ。
髪にはシスチンという必須アミノ酸が含まれていること、そして必須アミノ酸は体内で生成することができないことを考えると、積極的に摂取したいタンパク質であることがわかるかと思います。
一方、植物性タンパク質は動物性タンパク質と比べて、水溶性ビタミンを多く含んでいるのが特徴。後述しますが、ビタミンも髪を生成するうえで欠かせない栄養素の一つです。
つまり、動物性タンパク質と植物性タンパク質では特性が異なるため、バランス良く摂取することが必要になってくるというわけなのです。
タンパク質が含まれる食材
動物性タンパク質:牛肉、鶏肉、さんま、たまご、チーズなど
植物性タンパク質:納豆、ごま、落花生など
髪の生成をサポートする「亜鉛」
髪のためにタンパク質を補おうとする人は多いのですが、意外と見落とされる栄養素でもあるのが「亜鉛」です。
亜鉛は、タンパク質の合成や細胞の新陳代謝に使われるなど重要な役割を担っていますので、毛髪の主成分であるケラチンタンパク質の生成にも欠かせない存在です。
しかし、2015年に厚生労働省が行った調査では、若い世代を中心に亜鉛不足の傾向にある人が多いことが明らかになったとのこと。
では、亜鉛が不足するとどんな悪影響があるのか
- 髪の成長が阻害され、抜け毛の原因になる
- メラニンが生成されにくくなり、白髪になる
こういった可能性が指摘されます。
まだ可能性の域の話ですが、亜鉛不足が悪影響を及ぼすことには変わりないので、積極的に摂ルようにしましょう
忙しいビジネスパーソンは特に栄養バランスが偏りがちなので、特に亜鉛は意識して摂取しないと不足しがちになるので注意が必要。
亜鉛が含まれるおすすめ食材
牡蠣、のり、赤身肉、ごま、そら豆、きなこなど
髪の健康に必要な3つのビタミン
髪の成長には、ビタミンも欠かせないことは先述しましたが、中でも髪の健康にいいとされるビタミンは次の3つ。
- ビタミンA
- ビタミンB2
- ビタミンE
ビタミンAが不足すると髪が脆くなる
ビタミンAは、主に髪の新陳代謝を促すのに必要な栄養素。
ゆえに不足すると髪質が細くなったり、髪が抜けやすくなったりします。
ただし、過剰摂取すると頭皮の栄養障害を起こす可能性もあるので注意が必要。普通の食生活で過剰になることはありませんが、サプリメントを検討している、愛飲している人は注意しましょう。
ビタミンAが含まれるおすすめ食材
人参、かぼちゃ、ほうれん草、パセリ、焼海苔、ホタルイカ、しそなど
ビタミンB2は血行促進が期待できる
ビタミンEは、頭皮の新陳代謝を促し、毛細血管を丈夫にすることで髪に栄養を届きやすくする働きがあります。
血管の約9割は毛細血管が占めていますが、加齢や紫外線によって老化し、毛が抜ける場合もあります。
血管としての機能が衰えると、十分な酸素や栄養が行き届かなくなり、老廃物が蓄積しやすい原因になります。
薄毛予防には、健康な血管を維持することも重要です。
ビタミンB2が含まれるおすすめ食材
まぐろ、鶏肉、バナナ、パプリカなど
ビタミンE
ビタミンEが優れている点は、なんといっても抗酸化作用か高いこと。
人間は生まれた瞬間から老化が進んでいくわけですが、カラダはさまざまな生活習慣が起因して酸化していきます。
髪も例外ではなく、放っておくと細胞の機能が衰えて新しい細胞が作られにくくなっていくのです。
ビタミンEを摂取することで、髪へ質の高い栄養が送られるようになり、育毛をサポートしてくれる役割が期待できます。
ビタミンEが含まれるおすすめ食材
アボカド、西洋かぼちゃ、ナッツ類など
健康な髪に必要な栄養素は「タンパク質」「亜鉛」「ビタミン」ですが、過剰摂取すると逆効果になってしまうので、程よいバランスで摂取しましょう。
地中海の人は薄毛が少ない
ここまで髪にいいとされる栄養素「タンパク質」「亜鉛」「ビタミン」を挙げてきましたが、実はこれらを効率よく摂れる食事が「地中海料理」。
地中海沿岸諸国であるギリシャやイタリア、フランス、スペイン、モロッコなど。
彼らの食文化は、古来より魚や野菜、フルーツ、ハーブ、オリーブオイルなどを大量に食べる習慣があり、先ほど挙げた3つの栄養素をまんべんなく摂ることができるのです。
実際に薄毛でない人は、こうした地中海風の食事を好む傾向にあるというデータも存在しているとのこと。
毎日は難しいかもしれませんが、休日の2日間は自炊してみたり、外食をイタリアンにするといった工夫をしてみるのもいいでしょう。
トマト缶を常備しておくのがおすすめです。肉と魚、他の野菜とも相性がいいので使い勝手に優れています。
まとめ:髪もカラダも食事から作られる
いくら薄毛治療をしようとも、効果のある育毛剤を使っていても、日常生活が乱れたままではその効果を十分に発揮することは困難です。
髪の成長や頭皮環境を整えるのは、あくまで食事や健康に気遣った日常生活であることをお忘れないように。